「わしはミルトン国の国王、ウェンリィ・ミルトンじゃ。」
国王は威厳のある声で名を名乗った。
さすが国王、威厳と立ち振る舞いが違う。
「どっ、どうも…」
あたしはそんなことに慣れてないから、軽く会釈する。
「そこの娘!国王に向かってなんたる無礼な!」
国王の隣にいた家来があたしに怒鳴る。
でも、あたしはそんな説教じみた事は右から左へ聞き流した。
仕方なねぇじゃん、どうしたらいいか分かんねぇんだから。
「ふっ…面白い娘ではないか。
そんなお前に大事な話があるのじゃ。
聞いてくれるかね?」
「……何?」
あたしは眉間にしわを寄せて訊ねる。
嫌なお願いをされたら、すぐ逃げよう。
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