カツカツと靴音を鳴らしながら、誰かが近づいてくる。
そして、俺の頭を鷲掴みにすると、そのまま持ちあげられた。
視界がぼやけて、顔が分からん。
せやけど、男っていうことだけは分かる。
「ふぅ~ん。君、ただのひょろひょろ君だと思ってたけど…案外しぶといねぇ」
ハスキーボイスが静かな広間に響く。
そういえば、いつからこんなに静かになったんやろ?
「ボス、選ばれし者を発見しました。」
女がボスの背中に近づき、語りかける。
「どこに?」
「あちらです。」
ボスは女に見向きもしないで会話し、俺を床に乱暴に放り投げた。


