「シーラ、うるさい。もうちょっと静かにしてよ」 「そんなこと言ってるばあいじゃないよ!たおれてたお兄ちゃん、おきたよ!」 そう言われ、やっと不機嫌な顔をした天使がこちらを向いた。 俺とおんなじ赤い瞳だったけど、やっぱりどこか人とは違う雰囲気がある。 俺は二人の顔を交互に見比べ、あることに気がついた。 この天使、双子や… 瞳の色以外はほとんど同じ顔をしている。 「お兄ちゃんうごける?」 しばらく二人を呆然と見ていたら、空色の瞳をした天使、シーラが俺に小さな手を差し伸べてきた。