‡パルソナ‡ 孤高の唄姫



え…?


両隣にいたレイと、ノエルが、後ろに倒れていく。


その動きがあまりにも遅すぎて、時間が狂ったんじゃないかと、本気で思った。


あたしは恐る恐る、後ろを振り返る。



きっとなにかの間違いだと信じて…


でも、あたしの目に飛び込んできたのは、レイとノエルの青白い顔と、二人の血で染まった床。


それだけで今の状況が分かりたくなくても、自然と分かってしまった。



「ノ…エル…、レイ…」



それを見て、あたしの脳裏に誰かが血まみれになって倒れてる姿が一瞬だけ浮かんだ。


今のは、何!?


二人をただ見つめたまま、あたしは気が動転してるんだと心に言い聞かせた。



でも、今のがどこかで見たことがあるような、そんな気がした。