あたしはそんな思いを胸に、ファイが魔法を解くのと同時に、風で後ろに飛ばされた剣を取りに駆けだした。
「茜菜!!」
その時、レイの叫び声に近い声が後ろから聞こえた。
走りながら後ろを振り返ると、ライオスが長い爪を光らせて、ハイスピードでこちらに向かってきていた。
早っ!!
追いつかれるーー!
あたしは追いつかれないように、腕を思いっきり振って、剣の方にダッシュした。
てか、本気で走らなかったら
・・・
想像すんのやめよ!!
一応本気出したら、五十メートルを7秒ぐらいで走れるあたしだけど今は、それよりも早く走ってると思う。


