「この戦いが終わったら、俺の剣の餌食にしてやる」
ノエルは手の骨をこきこき鳴らしながら、あたしを脅す。
「すっ、すんませんでした…;」
あたしは自分の命が危ういと思い、素直に謝った。
「まぁまぁ、そう言わずに。それより…風がやんだみたいですよ」
レイはノエルをなだめた後、突風が来た方、つまりライオスの方を睨みつけた。
あたしもそちらの方に視線を向けると、突風で黒い煙が晴れ、ライオスの姿があらわになっていた。
ライオスは無表情であたし達を見下ろしていた。
漆黒の翼が大きすぎて、長身のライオスでも小さく見える。
「ライオス…」
あたしはその姿を見て、胸が苦しくなるのが分かった。
前向きでお気楽な性格だったライオス。
ぜったい元に戻してみせる!!


