「ていうか、なんでここだけ風来ないんだ。」
あたしは気になって、きょろきょろ見回す。
外は風でびゅぅーびゅぅー効果音が鳴って吹いているのが見える。
「魔法で透明な空間を作ったんすよ。これがどこまで保つかわからないっすけど…」
顔を曇らせたファイをあたしは心配して見てると、
「おい!」
と後ろからノエルの怒りのふくんだ声が聞こえた。
「ノエルも無事だったんだな!」
あたしは振り返ると、顔にめちゃくちゃ青筋がたってるのが目立つ。
「どっ、どうしたんだよ、そんなに怒って…」
「てめぇ、俺がせっかく貸してやった剣はどうしたんだよ?」
「あっ!」
飛ばされちまった!


