あたしは頬の筋肉がゆるみ、自然と口角が上がった。 「なに、にやにやしてんだよ。」 まだ顔の赤いノエルは横目であたしを見やるけど、それでもあたしは笑いを止めることが出来なかった。 そのままあたしは窓の外に目を向けた。 澄み切った、果てしない空に向かって一羽の白い鳥が羽ばたく。 その時、ふと浮かんだのはあたしの恩人の笑顔だった。 爽助… あんたに会いたい… .