「そのうち起きると思いますから、それまではそっとしておいて下さい。」



「では」と一言言うとドアを静かに閉めた。



どっ、どうしよう…


この状況、かなり緊張するんだけど…



緊張を解そうと、ノエルを起こさないようにそっとベッドから出たあたしは


レイが置いてくれた粉薬を水で流し込んだ。



にっ、苦っ!!


あたしは一人、舌を出して、苦さを表現する。



苦さが引いた時、窓の外を見ると、辺りはもう闇に包まれていて、家の中の光がぽつぽつと見えていた。



あたしは窓に歩み寄り、窓を開けた。


心地よい風があたしの短い髪の間を通っていき、部屋に涼しい空気が流れ込んだ。