でも、あたしはレイを無視して話を続けることにした。
「今話してた"あの歌"のことについて聞きたいんだけど?」
「あぁ~、それはねぇ…」
と言ってあたし達の席に行って
「ちょっとこっちに来な。」
とあたしを手招きした。
あたしとレイがおばちゃんの所に行くと、おばちゃんはその窓から見える岩山を指さした。
その岩山はてっぺんが雲で隠れてるほどの大きな山で、その迫力に息をのんだ。
「あの山からよく女の子の歌が聞こえてくるんだよ。
声はとてもかわいらしいんだけど、よく聞くと、その歌はすごく悲しい歌でねぇ…」
「その歌の歌詞って覚えてる!?」
あたしは前のめりになって尋ねると、おばちゃんは顎を指でつまんで考えた。


