ラフ・メイカー

「そうです。そして、力を授けてもらったら、タクトというものにその力を刻みます。タクトとはこれのことです」
 
ローブの袖口をブンブン振って、ウルフは袖口から小さな棒を取り出した。
 
まるで、オーケストラの指揮者が使うような棒。
 
まさしくタクトだ。
 
「これに……」
 
「はい。力が強い魔導師ほどタクトは長くなります」