ラフ・メイカー

「契約……」
 
「ええ。もちろん代償もありますが、代償は精霊の位によって変わります。位が高いものは、代償も高くなります」
 
代償――
 
その一言がベルの胸に引っ掛かった。
 
しかし、それを聞けなかったのはウルフのあまりにも哀しげな表情を見て、言葉を失ったからだ。
 
「なるほど……力を授けてもらうって感じですか…」