ラフ・メイカー

「すっかり遅くなってしまいましたね……」
 
月光は明るく、照る月は満月。
 
星がきらめく夜空は、まるで、宝石箱を開いた時のようだ。
 
「足元が暗いから、気を付けてくださいね、ウルフさん?」
 
「大丈夫ですよ、ほら」
 
ウルフが人差し指をチョンと地面に突き出した。
 
すると、淡い光が足元から放たれ始める。
 
「すごい……」
 
「ちょっとした魔法です」