ラフ・メイカー

「良いんですか……ね?」 

ウルフが疲れ果てたままうずくまるベルを見る。
 
ベルはゆっくり顔をあげ、黙ったままうなずいた。
 
というよりは、息が荒れて声にならないという感じであった。
 
「兄ちゃん、孤児院でも手品やってよ!!みんな、喜ぶからさ!」