ラフ・メイカー

手品の演目を終了するとウルフは、ペコリと頭を下げた。
 
人々は口々に感想を言い合い、にこやかな顔をしてみんなそれぞれ散らばっていく。
 
残ったのは、肩車をしたままというベルとピントだけである。
 
「ベル姉ちゃん、もう良いよ!」
 
「はい…はい……」
 
疲れ果てたベルは、おばあちゃんのようにゆっくり腰を曲げ、ピントをおろす。