ラフ・メイカー

孤児院を出て、向かった先は町の中心にある円状の広場。
 
ここなら人通りも多いし、あんな目立つウルフならすぐに見つけられるとベルが推測したからだ。
 
「今日も、いっぱいお店が出てるね?」
 
「そうね……」
 
手をつなぎ、二人してキョロキョロしていると、ベルの顔にチラシみたいな紙が風に飛ばされ、一枚張りついてきた。