抱けないあの娘〜春〜



「…とりあえず着替えよう。」



クローゼットから部屋着を出し、着ていた服を脱いでいると携帯が鳴り出した。



携帯を見ると




[高村咲哉]



の着信文字が!!




ど、ど、どうしようっ!!



深呼吸を何度かして、電話に出る。




「もしもし?」



「さつき?咲哉だけど…ちゃんと無事家に帰れたか心配でさ…ごめん、家まで送ってあげたかったんだけど、どうしても試合後のミーティングは抜けられなくて。」



試合の後で疲れてるのに、優しいな…



「大丈夫!バス停までの道は覚えてるし。今、部屋で着替えてたとこ。心配してくれてありがとう。」




「き、着替え中!?って今!?」



「うん。今ブラジャーとショーツだけ…ってや、やだっ!!今の忘れてっ!!嘘よ嘘!!」



「…さ、寒いから早く着替えたほうがいいよ。で、明日なんだけど、僕部活休みなんだ。会いたいな…会えるかな?」




「あ、明日!?だ、大丈夫!!って明日何するの?」




「何するのって…ふたりでどこか行こうよ。デートしよ?さつきはどこ行きたい?」


「デート!!」



「そう!僕達の記念すべき初デート!!明日までにどこ行きたいか考えておいてね。迎えに行くから。」



「う、うんわかった。考える。」



「じゃあ明日ね。それと…お願いだから早く着替えてね。そんな格好のさつきと今電話してるなんて…色々想像しちゃいそうだから!」



「想像?なにを?」



「ななな何でもないよ!じゃあ…明日楽しみにしてるね。朝10時に行くから待っててね。」



「うん、待ってる。じゃあね!」