抱けないあの娘〜春〜




なぜ諏訪キャプテンがそんなことを僕に言うのか全く検討つかず、さっきサヨナラホームランを打った喜びなんてぶっ飛んでしまった。



でもスタンドのさつきを見ると、笑顔で僕達チームに手が千切れそうなほど拍手をしていたけど…



試合が終わり片付けをしている時に、諏訪キャプテンが僕に近づいてきた。



「さっき言ったこと気にしてんのか?」



「あ、は、いやあの…」



「さつきがさ、俺に珍しくメールしてきたんだ。何だか眠れないし、ドキドキして胸が苦しくて痛いって。最初は病気なんじゃねぇの?と軽く返してたんだけど、話をよく聞けばどうやらお前に出会ってかららしいんだよな。それって…お前に惚れたってことと思ったんだ。だけどさつきは全くそういう免疫が無いから、とにかく今日試合を観に来いって言ったんだよ。」