抱けないあの娘〜春〜




「よっしゃあぁぁぁぁっ!!」



ホームベースで坂出や諏訪キャプテン、チームの皆が待っている。


僕は拳を高く突き上げ、ベースを回る。



さつきは泣いていた。



ホームベースに帰ると、皆から頭をバシバシ叩かれながら祝福を受ける。




「高村、おいしいとこ全部持って行きやがったな〜!!初球をスタンドに叩き込むとはやるじゃねーか!なんかいいことでもあったんじゃねぇか?」



諏訪キャプテンの言葉に一瞬ビビってしまった…



「いや、あの…」


すると耳もとで
「さつきのこと、よろしく頼むな。」



え、えぇぇぇぇぇっ!?



い、今なんと?




なんで!?