ベンチにドカッと座り、平常心を保つのに必死な僕。


このベンチの上にさつきさんがいるって考えただけで、落ち着かない。顔が熱い。胸が苦しい。持っていた紙コップのスポーツドリンクをたらたらとこぼしている事にも気が付かないほどだ。



「咲哉、大丈夫か?緊張してんのか?」

キャッチャーのレガースを外しながら、坂出が心配そうに僕の顔を覗き込んだ。


「ばっっ!!…んな訳ねーだろっ!!そ、そうだトイレ行ってくる。」


慌てて僕はトイレへと急いだ。

関係者以外立ち入り禁止になっているベンチ裏に出ると………



何故かそこには辺りをキョロキョロとしているさつきさんの姿が。



心臓が…止まりそうだ…