抱けないあの娘〜春〜




「……って!!咲哉、打って!」




沢山の大声援の中に、さつきの声が聞こえたような気がした。


僕の勝利の女神。さつき、見てくれよ!



必ず打ってやる!!



僕は相手投手の延びのある外角のスライダーを狙う。


素晴らしいピッチャーだ、打ちづらいコースにボールを集めてくる。なかなか思うコースに来ない。


僕はファウルで粘り続けた。


カウントは2ストライク、3ボール。



バットをしっかりと握り直した。


次で決める!!



ピッチャーも疲労があるのだろう、外角に甘い球が来た!



カキーーーーーーーーーーーーン!!






僕の打った球はライトフェンスへ直撃!



僕はバットを放り投げ、一塁ベースへ猛ダッシュし、二塁を目指した。



砂ぼこりを立てて二塁ベースへスライディング!楽勝セーフでツーベースヒット!!僕は思わずガッツポーズ!



場内、割れんばかりの大歓声だ!!

ベンチもスタンドも大騒ぎだった。


さぁ、反撃開始だ!