抱けないあの娘〜春〜


決勝まで勝ち進んできた相手は、我が校と因縁のライバルでもある強豪海成学院高校。春の大会の決勝戦も、同じこの対戦だったのだが、我が京浜学園高校は手も足も出ずに涙を飲んだのだった。
キャッチャーマスクを被る坂出は、いつもの様に裏をついた絶妙なリードで相手を翻弄するが、上位打線の巧みなバッティングに苦しんでいる。

怪我から復活を成し遂げた諏訪キャプテンの見事なフィールディングのお陰で、三遊間は鉄壁と化すが、ライト線に長打コースを何本も打たれ、点差を広げられる。

回は進み、点差は3点。


僕は流れる汗を拭こうともせず、ベンチに腰掛ける事も忘れ必死に戦う選手逹に大声で励ます。



まだ…まだあともう少し…




このチームで野球やりたいんだ。

皆、頑張れ…


頑張ってくれ!!