「ただいま〜!!さつき〜いるの〜!?お土産買ってきたから降りておいで〜♪」



上機嫌のお母さんが帰ってきた…



「は〜いっ!!帰ってるよ!今行くから〜!」



慌ててベッドから飛び降り、部屋着に着替えるさつき。



ガックリと項垂れる僕…



あぁ、神様…



こんか蛇の生殺し状態も人生の学びなのでしょうか…





結局、さつきのお母さんに捕まった僕は、深夜遅くまで宝塚について語られ、タクシーであのむさ苦しい寮へ向かったのだった。



帰りのタクシーの中でさつきからメールが来た。



『遅くまで引き留めてごめんなさい!お母さん、話すと止まらなくなっちゃうの。それで…さっきのことだけど…咲哉の目が真剣で、力がすごく強くてびっくりして。私どうなっちゃうの?って思ったけど、そんな咲哉も…好きだって思ったよ。いつかは咲哉と…私、勇気を出して頑張ります!咲哉、お誕生日おめでとう♪愛を込めて… さつき』



別に勇気を出さなくても自然の流れでするもんだけどな…思わず吹き出してしまった。



ま、焦らず行きますか!!



さつきのくれたキーホルダーと御守りを眺め、にやけながら寮へ戻った。



完全に門限を破っていたことを忘れてた僕は、翌日諏訪キャプテンから地獄のような特訓を受けさせられたのは言うまでも無い…