可奈は諏訪キャプテンにしがみついたまま小刻みに震えて動けないでいた。
諏訪キャプテンが黙ったまま可奈をそっと抱きしめ、
「こないだのすごい剣幕で寮に乗り込んで来た時とはえらい違いだな。もう大丈夫だ。思いきり泣いていいんだぞ。」
その言葉でやっと可奈も正気に戻り、諏訪キャプテンの胸の中で涙を流した。
男達の携帯からさつきと可奈の拘束された画像が証拠となり、奴等は逮捕された。今まで被害に合っていた女の子達の画像も大量に保存されていた為、これから余罪も厳しく追及されるだろう。
二人とも小さい傷があった為病院で手当てをしてもらい、警察からの事情聴取が終わるとすでに日が暮れかけていた。
さつきのご両親が警察へ迎えに来ていた。さつきのお父さんは目を潤ませながら黙って僕に深々と頭を下げた。
お母さんは、さつきを抱きしめ泣いていた。
相当心配だったのだろう、憔悴しきっていた。
可奈は事務所のマネージャーが迎えに来て、未だ諏訪キャプテンから離れようとしない可奈を引き剥がしにかかっていた。
「お前な〜!いい加減離れろよ!ほら、迎えに来た人も困ってんじゃねーか!」
「嫌!絶対離れない!」
壮絶なバトルを繰り広げていた。

