今日は咲哉の誕生日!!



いつも待ち合わせにおくれてばっかりだから、今日くらいは咲哉を待たせないようにしなくちゃ!



早足で駅へと向かう。



それにしても…約束の時間までまだ30分もある。張り切りすぎちゃったかな?



三寒四温とはいうけれど、まだ午前中の風は頬に冷たい。



先にスタバに行って待ってようかな…



歩き出そうとしたその時、不意に肩を叩かれた。



振り向くと…





可奈…さん…?どうしてここに…?
あのパーティー会場での向けられた悪意が一気に蘇る。



「やっぱり…あなたね。ええと…名前聞いてもいい?」



「あの…何か…」



「あたしの通ってるボイストレーニングのスタジオがこの近くなの。あなたをどこかで見たことあるな〜と思って。あ、あたし三谷可奈。あなたは?」




「諏訪…さつきです。」



「今日、咲哉の誕生日でしょ?まさか待ち合わせとかじゃないでしょうね!?」



「いや…あの…」
可奈のあまりの迫力に後退りしてしまう。



「言っておくけど、咲哉は私のものなの。今日はボイトレと撮影が終わったら咲哉と会うの。あなたははっきり言って邪魔なのよね。」



「え?…今日咲哉は私と…約束…」



「だーかーらー!!邪魔だって言ってるじゃない。咲哉と私の仲に入り込まないでくれないかな?あなたにはわからない私達の歴史があるんだから!」



こちらが何かを言い切る前に、可奈さんが畳み掛けるように攻撃的に詰め寄ってくる。