抱けないあの娘〜春〜




僕はさらに真っ赤になってるさつきの手を取り、田村の待つ車へエスコートした。


車は一路、パーティー会場へ。

いつの間にか辺りはすっかり陽が落ちて、街は色とりどりのネオンで煌めいていた。



「私、何だか緊張してきちゃった…」



心配顔のさつき。



「大丈夫!僕がそばにいるからね。絶対僕から離れちゃダメだよ?迷子になったら困るからさ。」



「うん、ちゃんと咲哉のそばにいる。」



っていうか…



こんな綺麗なさつきを人前に見せるのがすっげー不安な僕。どんなパーティーかも親父から聞かされて無いからな…