抱けないあの娘〜春〜



「咲哉…私やっぱり恥ずかしいよぉ…」


真っ赤になってるさつき。


「さつき、すごく似合ってる…ホントに綺麗だよ。」



「…ホントに?」



黒い瞳をうるうるさせて、僕を見上げるさつきが愛しくてたまらない。



僕はさつきにラビットファーの付いたロングのカシミヤショールを掛けながら耳元でささやいた。



「僕の自慢の彼女だ。誰にも見せたくないくらい綺麗だよ。」