7月の下旬、試験が全て終了した。
私達の住む寮は、なぜか長期休み中は閉館する。
夏休みの始まる8月まであと一週間。
東京に親戚がいない私も薫も、必然的に田舎の実家に戻らなければならなかった。

まぁ、たまの実家もいっか。と思っていた。


試験が終了した夜。

『そういえばさぁ』

風呂上がりでパックをしていた私に薫が話しかけてきた。

『翔太とまだ続いてんの?最近話きかないけど』


続いては、いた。
相変わらず毎日電話はしていたが、6月以来会ってない。

そろそろ会わないとやばいか…と私は手帳を開いて予定をみた。

「…あ」

『どしたぁん?』

「明日翔太の誕生日だ」