乃栄…いや、妬揮がしゃべった瞬間、強くふいていた風がやみ、
時が止まったような感覚が、朔哉には感じられた。
『一体何なんだこいつは。確かに見た目は乃栄だけどなんか違うのはわかる。』
「ま、そのくらい普通にな。」
「そぅそぅ普通に…っておいっ!!」
「なんだ?」
「なんだ?じゃねぇしっ!!!」
朔哉は、一息おいて、妬揮を指差して言った。
「なぜ俺の考えてることがわかったんだ!?」
「あーなんか読めるー…?」
「疑問形にするなぁぁっ!!!」
ゴダゴダうっせぇなぁ…と呟いた妬揮の動きが止まった。
声、が聞こえたからだ。
『ちょっと!!妬揮!?』
「…ん?」
『一回引っ込んで!』
「なんでぇ?」
「…お前、何独り言ずっと言ってんだ?」
状況を把握できていない朔哉が、ポカンとした表情で問いかけた。
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