お昼休み

何の迷いもなく、屋上に向かう。


扉を開けると、適当なところにあぐらで座り、弁当を広げている最中の朔哉がいた。



「お!乃栄。一緒に食おうぜ!」

「そのつもりで来たんですけどー。(笑)」



とうとう7月にも入り、気温も軽く30度を越すぐらいになった。

制服も清々しい服装になり、もう夏だ。



「暑いなー…。喉乾いたぁ!!」

「…そう言うと思って買っておきました!ただの水。」

「気が利くねぇ!!サンキュ…っておい。ただの水かよぅ。」


とか言いながらもまぁまぁ冷えた水で喉を潤し、一つため息をついた。


楽しく会話しながらそれぞれ弁当も食べ終え、

さて、教室へ戻るか…と乃栄が立ち上がった瞬間…


「うっ……。」


突然の頭痛と耳鳴りが乃栄を襲った。

それと同時に視界もゆらぐ。


急に様子が変わったのに気づいた朔哉は、乃栄に駆け寄った。


「!?おい!大丈夫か!?」

「…声…が…っ!!」

「声!?どうしたんだ!?」






『どーもしねぇーよ。』





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