「おっといけねぇ。そろそろだな。」

「なにが?」

「貴唯が心配してるみたいだし、一応これ乃栄の夢の中だし。」

「まぁね。」



彼は、片手を腰に、もう片方の手をだるそうに上げ、言った。



「じゃあな。」




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「…んっ……。」


モコモコした布団をどかし、目をこすりながら起きた乃栄。


「あれ…ここ貴唯ちゃんの家?」

「…あっ!大丈夫!?目、覚めた?」


別のミニテーブルで仕事をしていた貴唯が、目を覚ました乃栄に気づき、慌てて近寄ってきた。


「大丈夫、うん。ってなんで?」

「あら、覚えてない?」


貴唯が簡単に説明してくれたおかげで、乃栄もやっと思い出した。怪我のことも、そして、夢のことも…。



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