真っ暗なのに、周りがハッキリ見える…
何もないけど。
私は立ち止まり、上を見たり右や左を見たり振り返ったりしてると、…笑い声が聞こえてきた。
「……誰?」
うん、やっと声が出た。
そんなことはどうでもよくて、
声のする方へ行ってみよう。
自分の耳だけを頼りに何かを探すのって、とても大変だ。
しかも、声がいつ途切れるかもわからないし。
たまに音が反響して、方向もあやふやだ。
あてずっぽうに歩いていくと、だんだん声が大きくなってくるのがわかった。
「こっちだ…。」
足音に気づいたのか、声がやんだ。
けど、声のした場所はもう目の前。
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