「くっ…ッ!!」
頭に激痛が走り、血が流れてきた。
乃栄の母親が、近くにあった厚めの本を乃栄に向かって投げたのだ。
あまりの痛みにしゃがみ込み、それを見た母親は鼻で笑った。
「いい気味ね。あなたこそ、調子に乗ってんじゃないわよ。」
「…すみま…せん…。」
「わかったならいいけど。」
それだけ言うと、リビングに戻って行った。
「…手当てした方…が、いい…よね…。」
結構な傷のようで、まだ少し血が流れていた。
だが、
傷の手当てが苦手な乃栄。
迷惑はかけたくなかったが、このままじゃどうにもできない…と、貴唯に連絡してみた。
怪我のことを話すと、すぐに貴唯は迎えにきてくれた。
貴唯の車でアパートまで行き、手当てをしてもらったのは覚えていたが、
乃栄はあまりの疲れにその後眠ってしまったようで、後のことは覚えてなかった。
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