これ以上はもう走れないと思ったアイ
オンは、ちょうど川に行き当たったのを
きっかけにようやく止まり、

ゼイゼイ言いながらかがみこんで、川に
両手を突っ込みます。

清水をすくい飲み、汗まみれの顔を洗い
ましたが、まだ走るかも知れないと気づ
く理性は残っていたので、ガブ飲みは
しないでおきました。

この森にウサギや鳥を狩りに来ていた
アイオンは、さきほど、老人とティラノ
サウルスとナメクジの首をもった、巨大
なイノシシを見たのでした。