アイオンとユーリア

アイオンの背後では、町を焼く炎が
広がったのか、物が焼ける音と異臭が
風に乗ってますます強く届いてきます。

はっと我に返ったアイオンは、妹や友人
たちのことを思い出しました。
まだ間に合うかもしれない。

アイオンは老人に力強い声でありがとう
と言い、老人の温かい目で見守られなが
ら、ファートスの町に向かって全速力で
駆けていったのです。