僕は矢作が待つジェットコースターの列に向かう。


もうすぐ僕達が乗る番になるのか矢作の前に並ぶ人はもう3、4人しかいない。


「矢作!」


矢作の近くに行くと名前を呼ぶ。


呼ばれた矢作はゆっくりと僕の方を見てニッコリと微笑んだ。


「ごめんな? 電話が長引いちゃって
一人で並んでたらつまらなかったよな」


申し訳なさそうな顔で矢作に謝る。


「そんなマキさん、気にしないで下さい」



矢作は本当に優しいよな。

それに比べて優弥は『優しい』という字が入ってるのに全然優しくねぇんだよな。


つか最近ずっと一緒にいたのになんで気付かねぇんだよ。



やべっ。矢作と一緒にいるのにムカムカしてきた。


こんなんじゃあ矢作に失礼極まりない。