「暗くなってきたから家帰ろうっか」


優弥はニッコリと微笑みながらそう言った。


「うん」


優弥の言葉に僕は勢いよく頷いた。


「では姫。私と一緒に参りましょうか」


僕の前でひざまずいて右手を軽く持ち上げた。


「それはキザじゃねぇ?」


正直にそう言うと優弥は悪戯っ子みたいな笑顔をする。


「やっぱり? それじゃあ普通に手を繋いで帰ろうか」


そう言いながら僕の手を握り歩き出した。


僕は慌てて歩く。



夕暮れで歩く僕達の影は合わさるように重なっていた。