僕と優弥の間に沈黙が流れる。


それでも夏が始まった暑い中、蝉の声だけは鳴り響いていた。



そんな空気の中割って入ってきたのは矢作だった。


「でわ。会長はマキさんに嘘をついていたと?」


矢作の声に言葉にドキンって心臓がなった。


ときめいたとかそうじゃなくて、僕に嘘をついていたというのを信じたくなかったからだ。


僕はゆっくりと優弥の顔を見てゆっくりと口を開いた。


「優弥は、僕をからかいたくて嘘ついてたわけじゃないよな?」



僕の質問に優弥は口を閉ざす。


その態度に体が震え嫌な汗をかいた。


「会長! なにか言ったらどうですか?」


矢作の怒鳴り声で優弥は口を開く。


優弥はなにを考えてるのか僕にはさっぱりわからなかった。