僕と優弥が抱き合ってしばらくたって優弥は僕を離した。


なぁ? 優弥に何があったんだよ?


そうやって優弥に聞きたいのに言葉に出てこない。


やっぱり僕は情けない。


心の底からそう思ってると優弥は僕の顔をじっと見つめると口を開いた。



｢俺と真美ちゃんはﾏｷちゃんが思ってる関係じゃないんだ｣


僕が思ってる関係じゃない? どういうことだよ?


｢はっ? なんだよ…それ。真美と優弥は付き合ってるんだろ?
真美が言ってたじゃないか｣


｢それが…違うんだよ…｣


優弥がそう言うんだけど何の話なのかさっぱりわからない。


優弥はさらに言葉を続ける。


｢俺と真美ちゃんは付き合ってないんだよ。つまりは偽装だったんだ｣


｢はっ?｣


僕の一言で不穏な空気が流れるのだった。