「帰るぞ。そのかわり寝かせないから。朝までずっとゲームするぞ」

「えっ……でも……」

ナツが渋る。

さっきあんだけ脅したんだから当然か。


「あのな、なんもしねえよ。こんな時間にこんな場所に女の子一人で残して帰れるわけないだろ?」

俺がそう言っても立ち上がらないナツ。

こいつは変なところが本当に頑固だ。

「本当だったら俺も朝までここで一緒にいてやりたいけど、俺、部屋着のまんまだからこのまま朝までいたら変質者と間違われて警察呼ばれちゃうだろ? ほら、見てみろよ!」

俺は仕方なくナツの前で両手を広げて、服装がよく見えるようにした。


「本当だ……拓、それどうしたの?」

やっと笑ってくれた。
俺の部屋着も役に立つもんだ。