「で、今日はどうすんだ?」
公園の時計を見る。
時刻はもう三時半。草木も眠る丑三つ時もとっくにこえてしまった。
「……朝までここにいて、朝になったら家に帰るよ」
ナツはたまにこういう無茶を言う。
俺がそんなことさせないとわかってて言ってるのか、本気で言ってるのか。
多分本気なんだろうけど。
ナツ、嘘つくの下手だし。
俺は勢いよく立ち上がった。
ベンチが盛大に軋む。
「ほらっ!」
俺はベンチの心配をしながら、沈んだ顔をしているナツに右手を差し出す。
ナツはよくわからないと言った顔で差し出された手と俺を交互に見ていた。


