中学最後の夏休み《短》


そういうことをする理由なんて今まで考えたこともなかった。

可愛い。
抱きしめたい。

そういう気持ちが抑えきれなくなったときにその場の雰囲気に流されてしてたから。

だけどナツは今その理由を知りたがっている。

チカチカしてる電灯に照らされながら俺は真剣に考えた。


「……わかんねえ」

そしてナツを見つめながら、俺なりの真剣に考えた答えを告げた。

「えっ?」

ナツの驚いた顔。
そりゃそうだろう。

考え込んでいたと思ったら、出てきた答えがこれだなんて……俺がナツでも同じ表情をしたに違いない。

だけど知ったかぶって中途半端なことを言うより、自分の気持ちを素直に言おう。

そう思ったんだ。