ホテルに到着した小絵は、フロントへいき、


チェックインの手続きを済ませて 結城を部屋へと案内した。


いつもなら、それで自分の部屋へと戻るのだが、


結城の眠る部屋を確かめたくなった小絵は、


その部屋のらせん階段を上がって行った。


メゾネットタイプになっている階下は、居間になっている。


二階は寝室だが、その部屋には、シングルベッドが二つ置かれている。



そして、ベッドの枕の上からは、ベッドカバーと同じ柄の布が垂れ下がり…


その枕元の窓のカ-テンと一体になって…


一見天蓋を思わせるような 作りになっている。


おまけに、そのカ-テンは左右に振り分けられて、


その裾は束ねられ、ツインベッドが並ぶ両端に… くくり付けられていた。



そして、頭上の部分には青銅のエンジェルの像が付けられていた。



目の前には、金色のエンジェル像が、三体も並んでいる置き飾りがほほ笑み、



床には真っ赤な絨毯が敷かれている…



『結城様は、今夜も…
また…貴族なのね♪』



小絵は思わずほほ笑むと、 三体並んでいる置き飾りのエンジェルが、
ほほ笑みを投げてくれていた………