その結城が小絵に向かってこう話した。



「 妻から言われました。 いや、よしましょう…


こんな話は止めて、
別の話題を選びましょう。

君に幸運と言われて、 嬉しくなってしまった。


これは、聖フランチェスコ様のおかげなのかなあ…


大聖堂へお参りする前に、 プレゼントを貰った
みたいだね♪… 」



-ほんとうですか!
それは結城様が、謙虚なお 気持の方だからですよ。

私も、ここにお連れした甲斐がありましたわ♪ -



小絵の気持が弾んでいる。

結城という男は、ありのままのに、ものを言う正直な男だと思った。


巡り会うとは、このようなことをいうのかもしれないと、小絵は感じた…


行きずりの観光客とガイドの女という、関係だけには 終わらない気がしていた。


女の直感がそう思わせた。