『雪を戴くオリュンポスの高嶺から、ほど遠からぬ

ところで、9人の美しい
女神が生まれ…

それは詩歌女神のム-サイだよ…

父神ゼウスと母神ムネモシュネから生まれた、

それは、芸術ミュ-ズの女神、ム-サイの女神たちだよ…

私達は、そのム-サイに お使えするニンフなのだよ♪
いつも、レモンの木で舞い踊るのは、私達ニンフの役目…

私達は、レモンの木のニンフなのだよ♪

晴れやかに、愛らしく、 足取りも優しく舞い踊るのは…

ヘリコン山のム-サイ達を 讃えるため、

大いなるゼウスの娘たちを…いつも、讃え歌うようにと♪♪♪ 』


-小絵♪~
もうすぐ会えるわ~ -

その中から、一人のニンフが飛び出してきて~
こう言った.


小絵はその声で目を覚ました。あまりにも不思議…


-夢だったのね?
私はカプリ島にいたわ!


大きなレモンの木が植わっていた…


その木には、レモンの実が数え切れないくらい、
成っていたわ!


まるでクリスマスツリーのようだった。


そのレモンの実が女の子の顔になってた。


変だ、そんなことがあるわけないでしょ!


でも、そのレモンの実は …声を出して歌っていたわ-

夢の中の不思議な体験を思いだし、かみしめていた。

『でも、やっぱり変…
こんな夢を見るなんて、

よほど疲れているのね…
そう、
結城様のことがね… 』



夢なのに、小絵はあたりを見渡していた。


つい先ほどの夢のレモンのニンフがいないかと…


しかし、いるはずがない~ 夢なのだから、


でも、部屋の中には微かにレモンの香りが漂っているような気がした。