-結城様 ♪
ここを出ましたら、素晴らしい広場へご案内致します-

「えっ、素晴らしい広場へ … すぐ近くなの 」


-ええ、そうなんですよ!
あちらの出口を出ましたらすぐですから、こちらへいらしてください -


小絵がそう言いながら案内したのは、石畳のシニョリ-ア広場だ。


そこへ、一歩踏み込むと… あたりは異様な雰囲気だ。

広場を囲む重々しい石の柱 と柱の間には、


ルネッサンスの時代を創造した、偉人達の像がずらりと立ち並び、


小絵と結城を見下ろしていた…


-結城様、すごい迫力ですよね、私はいつも見て…
圧倒されておりますわ-


「ほんとうだ、
すごい力で、迫ってきますね」


結城も、ありのままに感じているみたいだった。


その石畳の上に立ち、 目の向こうにある回廊…


アルノ回廊と呼ばれているが、眺めていると、


言葉に表せないくらいの 美しい眺めだと思う…


何故なんだろう?
それは、構造的な美を世界に認められているからだ。

その回廊と石畳の広場との眺め…


二人で立ちつくして、 しばらくは、その場を動くことができなかった。