『お義母さん…小絵は、 もう泣きません〃
今〃涙は捨てましたから…
それに、私にはヒカルとい可愛い息子がいるのです。 泣いては…おれませんわ 』
早苗の胸中には、そんな小絵の想いが伝わっていた。
か細い肩は、小刻みに震えている。やはり………
女の身には、重過ぎる荷物なんだろう。
しかし、歩いて行かないと…捨てることなんて、
出来っこないし………
『小絵さん…
ありがとう♪もう泣かないのね………良かった』
愛の記憶の始まりは……港
その港から、愛という記憶は旅をする………
そして、愛の記憶に会いたくなったら…帰港すればいい…だから…
小絵は…圭介の愛の記憶の港になればいいのだろう。
それなら…夢から甦った瞬間には、
〃お帰り〃って言えばいいのだから………
『海の波止場に…船がいるでしょう。
その船は…遠い南の海から帰港したばかり、
これで、幾度目の帰港なんだろう………
愛というのは…
そんなものかもしれない。
波止場には、船乗りの家族が待っていて、船から綱が投げられると…
その綱の端を掴み、波止場の鉄の輪に結ぶ………
すると…船は少しづつ着岸出来る。
波止場にいる、船乗りの家族が嬉しそうな顔で、手を振りながら言う…
〃お帰りなさ~い〃
だから、小絵さんも港になればいい…
そうなら、
いつでも…圭介は、夢から覚めていいのよ。
小絵さんが…言うわ♪
〃圭介、お帰りなさい〃
ってね………』
小絵は早苗に感謝した。
『やはり、貴方は世界一幸せな人だわ。
貴方のことを…こんなに愛してくれている人がいる…
お義母さんがいるから…
苦しくても、乗り越えられそうよ〃 』
早苗に言葉はいらない。
『良かった…♪
小絵さん、ありがとう。
ほんとうにありがとう♪
それから、天空の星の貴方ありがとうございます♪ 』


