小絵は、愛の記憶の始まりを辿っていた。
その一方では、
圭介が小絵の愛の記憶に出会いたいと、夢から目覚める…いや違う…
夢から甦るのだ。
というほうが正しいかもしれない。
夢から覚めるということなら、その瞬間には…
夢を見ていたんだ………と、気がつくだろう。
しかし、そうではないのだ…そういう具合に自覚は出来ない。
つまり、甦ったんだ〃
やっと、小絵に会えたということになるのだ…
そんな馬鹿なことが………
有り得るわけがないだろうって、事実あるのだからしかたがない…
小絵は圭介の全てを受け入れないと…自分の存在はなくなるのだ。
甘いことを考えていたらひとたまりもない…
だって、
圭介が、見る夢…
ミッドナイトシアタ-に自分が出演していないと…
圭介が夢から甦った瞬間に…小絵が目の前にいても、意味がないからだ。
「君は…誰なの?」
ということになるのだから…
『私に…どこまで耐える力があるのだろうか。
ほんとうに、起きたら…
どんなに、苦しくて、悲しいだろう…』
小絵は、早苗と抱き合ったまま…潮が引くように涙が止まったことを覚えていた。


