『小絵さん…って、
…泣き虫なの。
しっかり者に見えたのに…以外だわ。
小絵さん…
今…泣いたら、明日からは、もう泣かないのよ。
おちびさんの…ためにもね…』
小絵は、小絵の母親とは違う…何かというと、
母親らしい、母性を持っている早苗にすがりたい気持になっていた…
小絵の中では…とっくの昔に、覚悟はできているのに…
何故こんなにも、涙が出てくるのだろう。
泣いてどうにか…変わるものでもなし、それはわかっているのだが…
愛する人が、死の淵から甦ったのだから………
それだけでも、感謝しようと思うのだが、人間には際限の無い欲望があるようだ。
小絵も…その欲望とやらに、さいなまれている。
寝たきりでもいいから…なんて思わない。
せめて、車椅子生活に…
その欲望は、捨てられないでいたからだ。
それから、もう一つ……… 愛する人が、目覚めたら、そのたびに、リピ-ト〃
いいじゃない〃
忘れられているよりは…
でも…過去の出来事の夢ばかりを見るということは、
そのたびに…過去の背景が変わるのだろうか?
『じゃあ…貴方の夢の中に、私はいるのでしょうか。
そのセクションは…どのあたりなのでしょう。
私に会うために…帰って来てくれたのでしょう〃
だったら…私達母子は一番よね。貴方…』
小絵は、早苗の腕の中で泣きながら…願っていた。


