早苗の足は、小絵のいる部屋の前で、ピタリ止まった…
『この部屋だわ…
小絵さんがいるのは。
それに、可愛いおちびさんも、いるはずよね〃
ああぁ………神様、
私に、勇気と力をお与え下さい。
小絵さんが、全てを受け入れてくれますように…
圭介への愛が本物でありますように…どうか力をお与え下さい〃』
早苗が、ドアをノックしようとしたら…
ドアが開き…小絵が立っていた。
「小絵さん、小絵さんなのね♪
私、圭介の母親…早苗ですが…はじめまして…」
-存じています。
私…小絵です。
それから…ヒカルは今眠っていますが…
どうぞ、お入り下さい-
「ありがとう♪
急に来たりして…ごめんなさいね。
私は、小絵さんにどうしてもお会いしたくて…
とうとう…来てしまったわ」
早苗は小絵の手をとり、抱き締めた。
小絵は…身体を震わせていた。泣いているのだ。
『小絵さん…泣きなさい。 思う存分泣きなさい。
私が抱き締めていて、あげるから………』
小絵は…早苗に抱き締められ…。
早苗の腕の中で、思い切り泣いていた…
早苗の優しい言葉が、涙のきっかけとなったのだが。
二人には、言葉はいらないようだ…互いの想いが交錯している。
早苗は、小絵を信じられるのか…という想いが、
もう片方では…
小絵が、圭介の母親である早苗が自分を信じて、認めてくれるだろうか…
そんなことを、胸に想いながら…二人は、しばらく抱き合ったままだった。


